なぜ「頭の良い」男性ほど恋愛で悩むのか
恋愛相談を受けるようになって5年、これまで400人以上の方とお話ししてきました。
その中で気づいたことがあります。高学歴で仕事もできる男性ほど、恋愛で深刻に悩んでいる方が多いということです。
「仕事では評価されるのに、なぜ恋愛だけうまくいかないんでしょうか」
「論理的に考えているのに、女性との関係がこじれてしまいます」
「何が正解なのか分からなくて、行動できません」
こんな相談を、本当に本当によく受けます。
実は、高学歴男性が恋愛でつまづく理由には、共通したパターンがあります。
今日は、クライアントの皆さんとの対話から見えてきた「3つの理由」について、お話ししたいと思います。
前提:恋愛は立派な「スキル」です
まず大前提として、恋愛は間違いなく「スキル」です。
生まれ持った才能ではありません。
仕事のスキルと同じように、学習し、練習し、改善していくことで必ず上達します。
高学歴男性の皆さんが、他の分野で成果を出してきたのと同じアプローチが、恋愛でも有効なのです。
ただし、仕事とは少し違ったアプローチが必要になります。その違いを理解することが、恋愛スキル向上の第一歩です。
理由1:「正解主義」から抜け出せない
クライアント宏太さんの例
宏太さん(32歳・外資系コンサル)は、初回の相談でこんなことをおっしゃいました。
「デートの誘い方から、会話の内容、次に会うタイミングまで、すべて『正解』があるはずだと思って調べまくりました。でも、本の通りにやっても全然うまくいかないんです」
宏太さんの話を詳しく聞いてみると、彼は恋愛本を20冊以上読み、ネットの記事も大量に研究していました。まるで資格試験の勉強をするように、恋愛を「攻略」しようとしていたのです。
なぜ「正解主義」が恋愛で通用しないのか
学校教育や仕事では、多くの場合「正解」が存在します。正しい答えを見つけ、それを実行すれば成果が得られます。高学歴男性は、この方法で成功体験を積んできました。
しかし、恋愛には「万人に通用する正解」は存在しません。
なぜなら:
1. 相手によって「正解」が変わる 宏太さんには「連絡はマメにしてほしい」女性、他の男性Bさんには「適度な距離感がほしい」女性。同じ行動が、相手によって正解にも不正解にもなります。
2. 状況によって「正解」が変わる 付き合う前と付き合った後、関係が浅い時と深い時では、適切な行動が全く違います。
3. 感情には「理屈」が通用しない場面がある 論理的には正しくても、感情的に受け入れられないことがあります。これは女性が感情的だからではなく、人間関係の自然な性質です。
「正解主義」からの脱却方法
Step1:「仮説検証」の思考に切り替える 正解を探すのではなく、「この人にはこうしてみよう」という仮説を立て、相手の反応を見て調整する。ビジネスでいうPDCAサイクル等です。
Step2:「相手を知る」ことに集中する 正解を当てはめるのではなく、「この人はどんな人なのか」「何を大切にしているのか」を理解することに意識を向ける。
Step3:「失敗を学習機会と捉える うまくいかなかった時も「不正解だった」ではなく「新しい情報が得られた」と考える。
理由2:「効率性」を重視しすぎる
クライアント景樹さんの例
景樹さん(29歳・IT企業)は、マッチングアプリで恋活をしていました。彼のアプローチはとても「効率的」でした。
「プロフィールは統計データに基づいて最適化し、メッセージも返信率の高いテンプレートを使っています。デートも1回2時間以内に設定して、3回目までに告白すると決めています」
一見合理的に思えますが、景樹さんの恋活は全くうまくいっていませんでした。
なぜ「効率性」が恋愛で裏目に出るのか
仕事では、効率性は重要な価値です。限られた時間で最大の成果を出すことが求められます。
しかし、恋愛において過度な効率性は逆効果になります。
1. 相手が「手段」に見えてしまう 効率を重視しすぎると、相手を「恋人候補」という役割でしか見なくなります。一人の人間として興味を持てなくなってしまうのです。
2. 「深いつながり」が築けない 関係性は時間をかけて育つもの。効率を求めすぎると、表面的な関係しか築けません。
3. 相手に「取引」のような印象を与える 計算された行動は、相手に違和感を与えます。「何か裏があるのでは」と警戒されてしまいます。
「効率性」との適切な向き合い方
効率化していい部分:
- 出会いの機会を増やす仕組み作り
- 自分磨きの方法や時間管理
- デートスポットの情報収集
効率化してはいけない部分:
- 相手との会話や時間の過ごし方
- 感情を育む過程
- 相手を理解するプロセス
景樹さんの改善後の結果: 景樹さんには「効率化は準備段階まで。実際のコミュニケーションでは相手との時間を純粋に楽しむ」ことを意識してもらいました。
3ヶ月後、自然体で接することができるようになり、現在お付き合いしている女性と出会えました。
理由3:「感情」を軽視してしまう
クライアント嶺二さんの例
嶺二さん(35歳・研究職)は、非常に論理的な思考の持ち主でした。彼の相談内容は印象的でした。
「彼女が『なんとなく嫌』『理由はないけど不安』と言うのですが、理由がないなら解決できないじゃないですか。論理的に話し合おうとすると、『そういうところが嫌』と言われてしまいます」
嶺二さんは、感情を「非論理的で無意味なもの」として扱ってしまい、4年の交際を経てきた恋人との関係がうまくいかなくなっていました。
感情の「論理」を理解する
多くの高学歴男性が誤解していることがあります。それは「感情は非論理的である」という思い込みです。
実際は違います。感情にも「論理」があります。ただし、その論理は理性の論理とは異なるルールで動いているのです。
感情の論理の特徴:
1. 「なぜ」よりも「どう感じるか」が重要
理性:「なぜそう思うのか?根拠は?」
感情:「今、どう感じているか?」
2. 過去の体験と強く結びついている
現在の状況だけでなく、過去の類似体験からの影響を受けます。
3. 言語化が困難な場合がある
感情は言葉になる前に存在します。 「なんとなく」という表現が多いのはそのためです。
感情に対する適切なアプローチ
Step1:感情を「情報」として受け取る
相手の感情を「解決すべき問題」ではなく「重要な情報」として受け取る。
Step2:まず「受け止める」
理由を問い詰める前に、「そう感じているんだね」と受け止める。
Step3:「なぜ」ではなく「どうしたら」を考える
「なぜそう思うの?」ではなく「どうしたら気持ちが楽になるかな?」
嶺二さんの改善例:
彼女:「なんとなく不安」
以前の嶺二さん:「理由を教えて。論理的に解決しよう」
改善後の嶺二さん:「不安なんだね。どうしたら安心できる?」
この会話変化により、彼女は自分の気持ちを理解してもらえたと感じ、関係性が劇的に改善したということです。
高学歴男性の「強み」を恋愛に活かす方法
これらの課題を理解したうえで、高学歴男性の強みを恋愛に活かす方法をご紹介します。
強み1:「学習能力の高さ」を活用する
恋愛も学習可能なスキルです。ただし、学習の仕方を変える必要があります。
従来の学習方法: 本やネットで「正解」を暗記する
恋愛での学習方法:
- 実体験から学ぶ
- 相手からのフィードバックを大切にする
- 失敗を改善のデータとして活用する
強み2:「分析力」を相手理解に使う
分析力を「攻略」ではなく「理解」に向ける。
相手分析のポイント:
- 価値観や大切にしていること
- コミュニケーションスタイル
- 過去の経験が現在に与える影響
- 感情の表現方法や受け取り方
強み3:「計画性」を自分磨きに活用する
効率性や計画性は、自分自身の成長には非常に有効です。
計画的な自分磨き例:
- コミュニケーションスキルの向上
- 感情理解の学習
- 外見や内面の魅力向上
- 趣味や教養の幅を広げる
まとめ:恋愛は「技術」と「感性」の両方が必要
高学歴男性の皆さんが恋愛でつまづく理由は、決して能力不足ではありません。
むしろ、これまで培ってきた優秀な能力を、恋愛に適した形で活用できていないだけです。
恋愛に必要なのは:
- 技術:コミュニケーション、相手理解、関係構築
- 感性:感情理解、共感、直感
高学歴男性は技術面では非常に優秀です。あとは感性の部分を少し伸ばすだけで、恋愛でも大きな成果を出すことができます。
次回は「『正解』を探す恋愛がうまくいかない理由」について、より具体的にお話しする予定です。
「自分の恋愛パターンを知りたい」「具体的なアドバイスがほしい」という方は、こちらからお気軽にご相談ください。一緒に、あなたらしい恋愛スタイルを見つけていきましょう。
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